- 2009-01-15 (木) 21:37
- Fusion | Modern Jazz | Music
ブルーノートから天才と呼ばれるジャズ・ピアニストがメジャー・デビューした知り早速聴いてみた。アーロン・パークス (Aaron Parks)の『インヴィジブル・シネマ』 (Invisible Cinema)というアルバムである。彼は1983年10月シアトル生まれ、ということだからまだ25歳だ。才能が溢れてるのは音楽だけではなく、14歳で飛び級にてワシントン大学に入学、数学、コンピューター・サイエンス、そして音楽を専攻した。ピアノ自体を始めたのは遅く10歳で、家にあったピアノを即興でガンガンと弾いていたが、親がうるさいということでちゃんと習うようになり、そこでジャズに出会ったということである。
そして16歳の時にジョアン・ブラッキーンの勧めもあり、ニューヨークのマンハッタン音楽院へ転学してケニー・バロンから教えを受けた。それとは別にフレッド・ハッシュにも師事。ついに18歳でスパンク・リー監督の映画音楽などでも有名なテレンス・ブランチャードのバンドに抜擢され、その鮮やかなプレイは瞬く間に注目されることとなった。18歳から5年間在籍したテレンスのバンドが本当の学校だった、とアーロンはいっている。
実はこの『インヴィジブル・シネマ』の前にインディーズで4枚のアルバムを出しているそうだが、本人はなかったことにしたいようで、今作を第一作と思ってもらっていい、ということらしい。CDの帯には<正統派とコンテンポラリーを行き交う21世紀型ジャズ・ピアニスト!>と書いてある。ポスト・ブラッド・メルドーといったところになるのだろうか。このアルバムではピアノ・トリオ+ギターのカルテットであるが、パット・メセニーが好きな人には間違いなくツボに入ることだろう。
全曲オリジナル・ナンバーだが、今回やる曲はギターがあったほうがいいと思ったらしく、「基本アコースティックなんだけど、エレクトリックも効果的に使おうという意図からキーボードも4曲で用い、醸し出す雰囲気に留意した」ということである。曲の構成や仕掛けにも凝り、一瞬ホラー映画のポスターかと思うようなジャケット写真と同じような、美しくストーリー性を感じさせる出来となっている。
アーロン・パークスはニューオーリンズ出身の若手ジャズ・トランペッター、クリスチャン・スコット (Christian Scott)のアルバムにも参加していて、彼らのジャズに触れるとアメリカにも新しいジャズを感じさせる世代が台頭してきているなと思う。ちなみにメンバーは、ピアノのアーロン・パークス、ギターのマイク・モレノ、ベースのマット・ペンマン、そしてテレンス・ブランチャードのバンドで一緒だったドラムのエリック・ハーランドである。
好き嫌いはあるだろうけれども、名門ブルーノートに恥じない新世代の息吹を感じさせる、才能溢れるジャズ・ピアニストであるのは間違いないだろう。ジャケット写真のような雰囲気を好む感性をもっている人ならばハマるだろうな、これ。
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