- 2009-01-06 (火) 21:22
- Jazz | Modern Jazz | Music
新年明けましておめでとうございます。本年も皆さんに取って良い年になるようお祈り申し上げます。
さて、デイヴ・ブルーベック (Dave Brubeck)という名前も、『タイム・アウト (Time Out)』というアルバム・タイトルも知らない人が多いかもしれないが、このアルバムに収録されてる「テイク・ファイヴ (Take Five)」という曲は多くの人が知っていると思う。今やYouTubeで検索してもらえればすぐに見つかるだろう。ちょっと前にはタケダ「アリナミンV」のCMで使われていたし、年末に行われていたフィギュアスケートの男子選手がこの曲を使っていたので、もっともお茶の間に浸透しているジャズの曲のひとつであることは間違いないだろう。
正確にはこのアルバムは<The Dave Brubeck Quartet>名義で1959年にリリースされたものであるが、デイヴ・ブルーベック (p)、ポール・デスモンド (as)、ジーン・ライト (b)、ジョー・モレノ (ds)というカルテットは1958年~1967年までメンバーが不変で、いかにチームワークが良かったのかが分かる。そしてこのアルバム、「テイク・ファイヴ」が収録されてるということもあるだろうが、ジャズ・インストゥルメンタルのアルバムとしては、はじめてミリオン・セラーになったものである。一部には色々と理由を付けて評価をしていない人もいるようだが、白人のやるジャズなんてダメだ、と頭から決めつけてる人もいるぐらいなので、これはもうどうしようもない(ちなみにベースのジーン・ライトだけは黒人)。確かに黒人に比べて白人は<歌う>感じが少ないところはあるかもしれないが、その分気怠くておしゃれな感じは白人の方が表現力があると思う。何にせよ、このアルバムの代表曲である「テイク・ファイヴ」は、そんなことを超越した名曲であることは疑いないであろう。
そんな「テイク・ファイヴ」は4分の5拍子という、いわゆる変拍子であるが、実はこのアルバム一般的な4/4拍子の曲は少なくて、1曲目の「トルコ風ブルー・ロンド」も、出だしの9/8拍子にスリリングな4人の演奏がまるでプログレのようで、ブルーベックかリック・ウェイクマンか分からないという感じなのである。その後のオーソドックスな4ビートの部分との対比がとても面白い曲だ。また4・5曲目はワルツだし、6・7曲目は4分の6拍子であり、ジャズ・ファンでない人が聴いても飽きさせない。実際「テイク・ファイヴ」が5拍子だといわれても、変拍子という違和感のなかった人が多いと思う。それほど洗練されおり、とてもおしゃれなのだ。
67年にカルテットを解散したデイヴ・ブルーベックはジェリー・マリガンと組んだりしていたが、70年代にこ再結成したりして、やはりこのカルテットがやりやすく、好きであったのであろうと感じさせる。何度か来日もしていて、いつも聴衆は「テイク・ファイヴ」の演奏を当然のように期待をする。何千、何万回と演奏し、そのうち嫌気が差すだろうと思ったが、その実、そんなことはなくて、弾く度に新しいことをしてやろうという気になる。だからこそ「テイク・ファイヴ」は名曲なんだ。とも語っている。
1920年12月生まれのデイヴ・ブルーベックは88歳になる今もご健在でカリフォルニアに住んでいる。昨年2008年4月にはライス国務長官よりベンジャミン・フランクリン賞を贈られ、また5月にはアーノルド・シュワルツェエネッガー知事よりカリフォルニア殿堂入りを発表され、12月にセレモニーが行われた。お元気です。