- 2008-12-30 (火) 11:58
- Jazz | Modern Jazz | Music
今年もあと2日となりましてちょっとずつ年末らしい感じになってきた。そんなとき実家に帰ってチャーリー・パーカー (Charlie Parker)を聴いていたら、まだ家族の顔は分かるけれども少しずつ認知症が進行している父親が「今聴いてたのはジャズか?速いな」とパーカーの音に反応してちょっとビックリした。「俺も昔トランペットやってたんだが、あれはちゃんと吹くのには体力がいってむずかしいんだ。肺炎になってやめたけどな」と、今まで聞いたこともなかった話をした。これまでも何回か書いたように、親父がマンボを好きなのは小学生の頃によく家でレコードがかかっていたので知っていたが、まさかビーバップが好きだったとは夢にも思わなかった。それ以上の話はしなかったので、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピー (Dizzy Gillespie)とかをどれぐらいまで知っているかは分からなかったが、知ってはいても今の状態では名前が出てこないのだろう。どちらにしろビーバップは好きなようだった。年齢からいっても今の高校生がヒップホップを好きなようなモンだから、別に不思議なことではないのだが、うれしさでちょっとワナワナときてしまった。
わたしは会社や仲間内では音楽が好きな方で、しかも、実際はそんなに詳しくないのだがジャズファンということで通っているので、音楽やジャズに関して聞かれることがよくある。その中で1番困る質問が、「誰々を聴きたいのだが、どのCDから聴いたらいいかお勧めはある?」ってやつである。特に古いチャーリー・パーカーなどはよく聞かれる。そんなもん自分の好きなものから聴けよ、とか、パーカーは安いから全部買って聴け、といいたくなるのを我慢して、とりあえず薦めてるのが上の画像にある10枚組のBoxだ。ライナーノーツも付いてなくて、データーといえばケースに記載されている曲名ぐらいなので、何年のどんなアルバムに入ってるとかすらも分からないものだ。しかし、タワーレコードだと、何と1600円程度で売っている。16000円ではなく1600円、1枚当たり何と160円だ。音質は元が古い音源なので初めて聴く人が気にするようなものではないし、もちろん全てが正規音源である。おおよそ年代順に収録されていて、アルバム単位で近所にまとめられていることがほとんどなので、その気になればインターネットでどのアルバムの音源か探すことも出来ると思う。
しかし、今はタワレコのような大型レコード屋にいけば、このようなアメリカの文化遺産(国の歴史が浅いしね)みたいなものが、こんな値段で手に入ってしまうのだから驚きだ。わたしはこのシリーズを他に、デューク・エリントンやセロニアス・モンク、ビリー・ホリデイ等々10セットほど持っているが、うれしいような申し訳ないような気持ちでありがたく聴かせてもらっている。自分が高校生の時にこんなものがあったら、まさに宝の山であっただろう。とはいえ、私達の世代も他では今から見たら羨ましいようなこともあったのだからおあいこといったところだろうか。
おまえはいろんな音楽を聴いているようだが、実際1番好きなのはどれなんだ?と問われれば、答えはビーバップってことになるだろう。みなさんも経験があると思うが、気持ちが落ちていて音楽なんて聴いてる気分じゃないし読書をする気分でもない、というとき。そんなときでも、相当クスリをぶっ込まないと、こんなコトできないだろってほどのスピード感で<パラララッララララ~>なんてやってるパーカーだけは不思議と聴くことができるのだ。このカッコ良さは何だ、ヤバ過ぎるだろ、ってことで気持ちもどんどんハイになってきて、また明日から頑張ろうって気分にさせてくれる。
ジャズファンとして有名なクリント・イーストウッドが1988年に監督した、チャーリー・パーカーの生涯を描いた映画に『バード』というのがあるが、実際はあんなもんじゃなくてもっと凄かったんだぞ、と。そして、自らの身を削り60年前にこんな音楽を残してくれてありがとう。と思わずにはいられない、そんな2008年の年末。
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