- 2008-12-26 (金) 23:19
- Electronica | Music | Pops
ちょっと忙しくて、特別に何をするというわけでもなかった今年のクリスマスに、さて何を聴こうかと考えたところ、手近にちょっと気の利いたクリスマスCDとかがない。iTunesでクリスマスソングを探して集めればそれなりにはなるだろうけれど、やはりここはアルバム1枚を通して聴きたい。ということで、セレクトしたのはなぜかラー・バンド (The Rah Band)のベストだった。数人からのオー・イェーという歓声がインターネット回線を通して聞こえてきました。ありがとうございます(笑)。
ラー・バンドとか、それこそどれだけ知名度があるか全く想像もつかないのだが、毎度の事ながら簡単に説明しておくと、リチャード・ヒューソン (Richard Hewson)という、映画『小さな恋のメロディ』のサントラや後期ビートルズ、ウイングス、スーパートランプ、ジグソーの「スカイ・ハイ」等々のアレンジやプロデュースを手掛けていた人(ちなみにイギリス人)が、他人の曲ばかりを仕事にしていた欲求不満の捌け口として、70年代後半にレンタルの4トラック・レコーダーを使い、自宅で多重録音して作ったのがキッカケである。
最初はインストゥルメンタルの曲だけだったが、その曲に合わせてリチャード・ヒューソンの奥さんが鼻歌を歌っていたのをリチャードが内緒で録音して、聴いてみるとこれが意外とイイ感じだったので、さらにオーヴァーダブを加えて出来上がったのが、初のヴォーカル・ナンバーで、わたしが初めてラー・バンドを知った「Perfumed Garden」という82年リリースの曲である。ちなみにこのベスト盤CDのタイトル名にもなっていて、あえてジャンル分けするならば、エレクトロ・ポップになるだろうか。
ラー・バンドという名も何だ?って感じだが、これはリチャードの本名、リチャード・アンソニー・ヒューソンのイニシャルから付けられたものである。今は当然シーケンサーやコンピューターを使って仕事をしているのだろうが、自宅でテープの多重録音を用いて基本トラックを作り、ドラムやブラスなど自宅ではむずかしいものをスタジオで加えていくということを70年代にやっていたのだから相当のオタクだ。
とはいえ、わたしもやったことがあるが、ラジカセ2台で多重録音をしたり、確か当時2トラックをマルチに録音出来るカセットレコーダーがあったと思うのだが、それを持っている友達もいて、色々と遊びで作ってたこともあった。80年代に入って4トラック・レコーダーも何とか学生が購入できる価格で発売されていたと思う。バブル全盛のちょっと前で景気も良かった。
何となく宇宙の感じにしたりする人は、土星から地球を救うためにやってきたサン・ラーを筆頭にしてジャネット・ジャクソン、日本だとm-floさんなんかまで、わたしは結構好きなんだが、クリスマスに聴くのにもこれはなかなか良かった、と今は思っている。最後に2004年、ベスト盤としてラー・バンドのCDが再発されたときに、リチャード・ヒューソンが寄せた言葉で締めたいと思う。
時は流れ、この危険な地球上で星の数ほどの歌が歌われ、そしてそれは宇宙を横切り遠くどこかに流れてゆく。多くの曲が聴かれるべきほど聴かれず忘れ去られる中で再々発されるのこのラー・バンドの楽曲たちは、未来に向かう我々が想い出を携えていくためにとても有効だと思う。
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