- 2008-12-22 (月) 23:35
- Avant Jazz | Free Jazz | Jazz | Music
北欧のジャズランド・レーベルが誇るアトミック (Atomic)というジャズ・ユニットをご存じだろうか。先日「アトミック忘年会!2008」と称して来日公演をしたばかりなので知ってる人は知ってる、そんなアコースティック・ジャズ・バンドである。簡単にメンバーを紹介すると、マグヌス・ブルー[tp] (Magnus Broo)、フレドリック・ユンクヴィスト[sax, cl] (Fredrik Ljungkvist)、ホーヴァル・ヴィーク[p] (Havard Wiik)、インゲブリクト・ホーケル・フラーテン[b] (Ingebrigt Haker Flaten)、ポール・ニルセン・ラヴ[ds, perc] (Paal Nilssen-Love)で、フロントの二管がスウェーデン人、リズム隊の3人がノルウェー人という、アコースティック・ジャズとしてはオーセンティックなクィンテットの構成である。
今年9月に行われた<TOKYO CONFLUX 2008>というイベントに、ドラムのポール・ニルセン・ラヴとベースのインゲブリクト・ホーケル・フラーテンがライヴを行い、9月23日新宿ピットインでの演奏では、ペーター・ブロッツマンと坂田明さんがゲスト参加している。これだけでもジャズファンにはどんな音楽をやっているか、お分かり頂けるだろう。聴きやすかったり、踊りやすかったりするジャズではなく、ちょっとフリー色が強く、明確なビートがあるわけでもないのだけれど、とても緊迫感がありピンと張り詰めた雰囲気の楽曲が耳を惹く、なかなかイケてるジャズだ。インゲブリクトはここ2年ほどシカゴに拠点を移していたこともあり、音響派・ポストロック勢にも接点がありトータス (TORTOISE)のメンバーとも共演歴がある。
そしてメンバーのインゲブリクトはこんなことを言っている
今はエレクトリックなジャズが目新しくてブームになっているから、プレスの視線がそちらに集中するのは分かるよ。でも、僕らにとってはアコースティック・ジャズも、エレクトリック・ジャズと同じくらいコンテンポラリーで可能性に満ちたものなんだ。
ジャズランドに2001年にアコースティック部門が設置され、その第1弾がアトミックだったのである。
ジャズはやっぱニューヨークだろ、と仰るご同輩には、NYをちょっと洗練させたノルウェーやイタリアなんかのジャズがキテるらしいですよ。とはいっても所詮焼き直しだろと思われる方もいるだろうけど、ただの焼き直しではない。船場吉兆とはちょっと違う(笑)。ヨーロッパのインプロと融合すると、ちょっとアメリカとは違う化学反応を起こすのだった。ただ、北欧にはノルウェーだけじゃなくフィンランドやデンマークなんかにも、なかなかいいバンドがありますよ。そのうち紹介しよっかな。
ちなみにこのCDは2007年7月に録音した2枚のスタジオ録音盤と2008年1月にシアトルで録音された1枚のライヴ盤の計3枚組である。それで3600円なので、お得といえるであろう。ライヴ盤1枚は一応初回盤ボーナス・ディスクということなので、ちょっとでも気になった人は早めに手に入れることをお勧めする。
関連性の高い記事
- まだ投稿されていません
- Newer: The Rah Band
- Older: 東京ザヴィヌルバッハ at 原宿クロコダイル