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菊地成孔ダブ・セクステット at オーチャードホール2Days

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 12月5日-6日に渋谷Bunkamuraオーチャードホールで行われた<菊地成孔コンサート2008>に二夜連続で行ってきた。<第一夜>が菊地成孔 ダブ・セクステット、<第二夜>が菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールのコンサートである。

 まず、5日のダブ・セクステット公演。開場の15分ほど前に正面玄関に到着すると、入り口横の喫煙スペースのところに、今回菊地成孔が厳選したコンサートにマリアージュするお酒がすでに販売されていた。この日は「翠露大吟醸中取り」と「フェッラーリ・スプマンテ・ペルレ/トレント・メトッド・クラシッコ」の2種類である。昼間に降っていた雨もちょうど上がり、少しずつ寒くなって来たところだったが、まずはフェッラーリのスプマンテから頂く。同じ名前の自動車と同じように多くのセレブから愛されるイタリアのシャンパンである。液状の宝石を飲みつつ、隣の50代と20代とおぼしき母娘(お二人とも美人でした)とちょっと談笑する。お嬢さんに飲んでいた翠露の感想を尋ねると、香りを嗅がせてくれた。とてもフルーティな香りだ、入場したらビュッフェではこれを飲もう、などと開場前からコンサートを楽しみつつ過ごしていた。

 中に入ると菊地氏のサイン入りパネル(写真参照)や愛用のパーカー万年筆(ジャズメンならメーカーは当然名前からいっても<パーカー>だとMCで仰ってた。ちなみに主な仕様モデルは<DUOFOLD – プレジデンシャル・イスパルト・スターリングシルバー>である)で書いた楽譜、ペペ・トルメント・アスカラールの最新アルバム『記憶喪失学』のジャケット写真の原画(メキシコ壁画運動の立役者ディエゴ・リベラがメキシコ・シティの国立宮殿に描いた壁画の模写的なパロディ)、オフィシャル・スーツであるクール・ストラッティンなどがディスプレイされ、さながら<菊地成孔祭り>のようである。クロークにコートと鞄を預け、すぐビュッフェへと向かい翠露を所望する。実はわたし5年ほど前までは完全な下戸で、今でもたまに嗜む程度なのだが、この大吟醸はただの日本酒ではないということぐらいは一口で分かった。

 ミスティックに酔いが回ってきたところで、世界的なジャズDJであるKYOTO JAZZ MASSIVEの沖野修也氏によるDJプレイが始まった(選曲については沖野修也さんのブログを参照)。日本のオペラハウス/クラシックのコンサートホールでDJ卓をお持ち込むなんてことは初めてのことだろう。何でも日本初というのはいいものである。高度に洗練されたそれは、菊地成孔ダブ・セクステットのライヴへと誘う最高のプレイだった。会場の性質上、立ち上がって踊りながら歓声を上げる、というようなことが出来ないのがホントに残念である。このDJプレイはダブ・セクステットの演奏へとシームレスに繋がっていくことになる。

 当日のセットリストは

1:Dub Liz
2:Susan Sontag
3:Caroline Champetier
4:(I’ve lost my) Taylor Burton
5:Invocation
6:Dub Sorcerer

─アンコール─

E1:Monkey Mush Down

であった。

 オーセンティックなジャズ・クインテットに、リアルタイムでデジタル処理をするダブ・エンジニアが同じスーツを着て同じステージに登るという、何とも21世紀を感じさせるハードバップは最高に気持ちいいし、わたしは大好きだ。菊地氏のコンサートのなのでオーディエンスも、ドレスアップした女性からコアなジャズファンとおぼしきおじさま、までとても多彩である。寒さが厳しくなってきた師走に、日本が誇る腕利きのジャズメンによるコンサートを思う存分堪能した。

 公演終了後の会場でコンサート前に見られなかったモノなどを見学していると、20歳代と見受けられる一人のキレイな女性が、会場内に飾られてあった菊地氏のパネルのひとつに向かって立ってた。するとサインのところへおもむろに手の平を重ねると、軽く首を傾げ、何かを感じようとしばらくそのまましていた。見た感じは映画『三丁目の夕日』で見えない指輪を眺める小雪さんのような感じ。わたしの拙い文章だと伝わりにくいかと思うが、とてもドラマティックで映画のワンシーンのようだった。わたしは女性の気持ちが分かるようなことはないが、このときは何となく分かったような気がした。切ないような、羨ましいような光景だった。

 終演後当日開場にて販売していた、全てのCD・書籍を購入した人を対象としたサイン会が行われ、ダブ・セクステットのメンバー全員が参加していたので、わたしもまだ持っていなかった東京ザヴィヌルバッハCDを購入し、CDに参加してないミュージシャンにまで、そのCDにサインをもらうのもどうかと思い、当日使用していたゼロハリバートンのアタッシュケースにサインを頂いた(写真参照)。そして、明日の第二夜、ぺぺの公演を更に期待を膨らませて帰路についた。

 続く…。

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